小児矯正

矯正治療とは

生涯自分の歯で噛めるようにするには、虫歯や歯槽膿漏にならないように日頃の注意(歯磨きの励行・定期検診)が必要です。

近年、食生活の変化により、顎の発育の悪化、不正咬合の方などが多くみられるようになってきました。

不正咬合になるとキチンと歯磨きをしても虫歯や歯槽膿漏になりやすく、ものを良く噛めません。心理的にもコンプレックスをもちやすく、心身の発育に悪い影響を及ぼす恐れがあります。

矯正治療を行い、美しい笑顔とキレイな歯ならびになることで、心身ともに健康になっていただきたいと思います。

不正咬合の種類

上顎前突

横から見た時に上の歯が出ている

反対咬合

横から見た時に下の歯が出ている

過蓋咬合

上の歯が下の歯に覆いかぶさっている

叢生そうせい

4人掛けの椅子に6人座っている状態

開咬

奥歯は噛むけど前歯が閉じない

不正咬合(悪い歯ならび)が心身に与える影響

  • 歯磨きが上手にできないため、虫歯になりやすい
  • 食べ物を上手く噛めない
  • 発音が悪くなり、上手にしゃべれない
  • 全身のバランス(姿勢)が悪くなり、頭痛やスポーツなどに影響
  • 歯並びが悪いことに心理的ストレスを感じる場合も
  • 見た目が悪いということだけではなく、日々の生活から健康に悪影響を及ぼす可能性も

床矯正とは

床矯正とは、顎を広げて行う歯列矯正です。口腔外科的な矯正は、数本の歯を抜いて歯の生えるスペースを作るという考え方で進められますが、「床矯正」は歯を抜かず顎の方を歯が並ぶ大きさまで拡げることで歯列矯正していく治療法です。

プレオルソ(小児用マウスピース式矯正装置)

プレオルソとは

「プレオルソ」は、現役の歯科医師(矯正専門)が永久歯に生え変わる歯に使うと効果効果が高いと言われています。

やわらかい素材を使っています。
お口にフィットするので、違和感や痛みも少なく着けることができます。

着けるのは日中の1時間と就寝中だけです。学校に持っていく必要もありません。

歯ならびの原因となる筋肉のバランスを根本から整えてあげることを目的とした装置なので、口元が引き締まる、治療終了後の後戻りの可能性が低くなるなどのメリットがあります。

あきらめていませんか?子どもの矯正治療

治療のタイミングは?

6才までに正しく発育できなかったあごを10才までに治し、11才からは自分の力で発育させるのが理想です。
5歳以上であれば治療が可能ですので、気になった方は早めにご相談ください。

矯正装置の特徴

矯正装置は、好きなときに外せます。矯正装置をつけていると発音がしにくい他、食事の時も大変です。大人でもそう感じるのですから、小さな子どもはもっと大変だと思います。

もちろん普段は装着したままでいてもらいますが、音楽の時間や作文の発表時など、どうしても装置が邪魔になってしまうときは外してもらってかまいません。

「フッ素」や「シーラント」が広まったことで虫歯の本数はかなり減ってきています。対照的に増えているのが「歯並び」の問題です。

図1は乳歯が生えそろったころの歯並びです。きれいに並んでいて問題なさそうです。ところが永久歯に生え変わったら図2のようにでこぼこした歯並びになってしまったということがよくあります。

図1は隙間なく乳歯が並んでいます。永久歯は乳歯より大きいので永久歯の生えるスペースが足りなくてでこぼこになってしまったのです。つまり、図1の状態は顎の成長が足りず、スペースも足りない状態なのです。

次に図3を見てください。歯と歯の間に隙間がしっかりあります。この状態であれば永久歯が生えるスペースも十分に確保されています。理想的な乳歯の歯並びは図3であると言えます。

当院では子どもの定期検診の際に虫歯や歯茎の状態だけでなく歯並びもチェックしているのですが、最近は隙間のない図1の歯並びのお子さんが増えているように感じます。

他にも歯並びの問題として反対咬合(受け口)、開咬(前歯が咬まない状態)などがあります。

きれいに並んでいるがスペースがない状態

でこぼこした歯並び

スペースがある理想的な乳歯の歯並び

「永久歯に生え変わるまで様子をみましょう」と言われたことはありませんか?歯並びの問題は様子を見ていても治ることはありません。むしろ、大人になってから治療しようとすると成長を利用できないため、治療に時間と費用がかかることになります。

当院では簡単なトレーニングは3~4歳から、装置を使った治療は6~7歳から始めます(図4,5)。歯並びはスペースの問題だけでなく、口や舌の筋肉を正しく使えているか、食事の習慣、姿勢なども関係するため、子供のころから治療する必要があると考えています。子どもの成長に合わせて口の正しい機能を獲得していくことが大事です。